宅建とかの資格ないけど、民泊代行業者を続けられる?はい、大丈夫です。

2017年の年末に民泊新法のガイドラインが発表されました。

これによって2018年6月から施行の民泊新法について、細かなところまで大分わかってきましたので、具体的な運営方法について色々考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事を読んでいるあなたが、今まで民泊代行業者をやってこられたのであれば、もうどこかで必要になる資格の話を聞きつけて来たのかもしれません。

そうです。民泊代行業者は新法施行後は「住宅宿泊管理業者」として登録するにあたって、資格の要件が盛り込まれました。そしてこれが結構ハードルが高くて皆さん困っています。

この記事では、民泊代行業者としてやってきた皆さんが今後続けていく上で直面する問題である、

  1. 住宅宿泊管理業登録に必要な資格 と、
  2. それがない場合どうしたら良いか

について解説していきたいと思います。

目次

住宅宿泊管理業の登録に必要な資格要件

管理業者となるには国土交通大臣に登録しますが、それには次のいずれかの資格が必要です。また、個人と法人では違います。

個人の場合

  • 住宅の取引や契約の業務について2年以上の実務経験
  • 宅地建物取引士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士

法人の場合

  • 上記の資格を持つ従業員がいること
  • 宅地建物取引業者の免許を受けていること
  • マンション管理業者の登録を受けていること
  • 賃貸住宅管理業者の登録をうけていること

 

どの資格でいくべきか

おそらくこの記事を読みに来てくれたあなたは、上記の資格を持っておらず、また2年以上の実務経験もないから情報を探しているのだと思います。

じゃあせめて、これから取るのだとしたらどの要件がいちばん早く、ラクに、効率的に取れるかというのも気になる所だと思います。

もちろん私も気になりましたので、簡単にそれぞれの資格について調べてみました。

※標準勉強時間については資格学校大手U-CANのデータを参照しました。

個人

上から順に行きますと、「住宅の取引や契約の業務について2年以上の実務経験」というのは大まかには不動産関係の会社での経験です。

ということはこの要件を満たすには、不動産会社に今すぐ勤め始めて住宅取引の業務を担当することができたとして最低2年かかります。しかし、この法律施行に合わせて準備をしているのに、2年の月日はあまりにも遠回りですよね。

 

それでは実務経験ではなく、資格ではどうでしょうか。

 

宅地建物取引士

[試験日]毎年1回 10月第3日曜日

[受験資格]無し

[標準勉強時間]6ヶ月

[受験料]7000円

[合格率]15%前後

通称宅建(たっけん)です。数年前に宅地建物取引主任者から宅地建物取引士に名称が変わりました。

年1度のチャンスで合格率15%の資格試験の勉強は、そう気軽に片手間でできるものではないでしょう。十分に勉強時間を取れる方以外はハードルは低くないと思います。

 

管理業務主任者

[試験日]毎年1回 12月第1日曜日

[受験資格]無し

[標準勉強時間]7ヶ月

[試験料]8900円

[合格率]20~23%

この資格はマンション管理業務主任者という資格と試験範囲がほぼ近いことからこれと一緒にダブル資格を狙う人が多いようです。

ダブルで狙わないまでも、宅建よりもやや合格率が高いので、取り組んでみるならこれかなという感じもします。

 

賃貸不動産経営管理士

[試験日]年1回 11月中旬

[受験資格]無し

[標準勉強時間]記載なし

[試験料]12960円

[合格率]48.3%(平成29年度一般)

わりと近年できたばかりの資格のようです。高い合格率が目を引きますね。しかし、他の資格もそうですが、試験に合格しただけでは資格者ということにはならず、登録が必要です。

なんと、この資格は登録にも要件があって、宅地建物取引士であるか、賃貸不動産関連業務の2年以上の経験が必要です。

そうです、この資格取得を今から目指しても、結局振り出しに戻ってしまうのです。。。

 

個人まとめ

ここまでをまとめると、もしこれから資格取得を目指すのであれば、管理業務主任者がよさそうです。

もちろん、どれぐらいの難易度になるのかは勉強時間や方法によって個人差はあります。今まで少しでも不動産関連の仕事をしていたとか、他の資格の勉強をしたことがあるという人は有利になるかもしれません。

 

法人の場合

それでは次は法人の場合を見ていきましょう。

法人の場合は人を雇えるのであれば、要件を満たすことは(時間の経過を待つことなくという意味では)すぐにでもできそうです。個人で上記の資格を持っている人を雇えばいいからです。

また、下記のその他の条件である宅地建物取引業者・マンション管理業者・賃貸住宅管理業者となるには、それぞれの資格を持った人を従業員として雇っていることが条件なので、結局のところ法人は資格者を雇っていること満たせれば要件クリアとなります。

  • 宅地建物取引業者の免許を受けていること
  • マンション管理業者の登録を受けていること
  • 賃貸住宅管理業者の登録を受けていること

 

それでは要件を満たせなかった場合は、いままで民泊代行業をやってきた人たちは廃業しなければならないのでしょうか。

いいえ、そうではありません。まだ方法はあります。

これはガイドラインによって発表されたことでもあるのですが、民泊代行の仕事をしていても、一部分だけ請け負うということならば可能です。それは住宅宿泊管理業に該当しないと言うかたちでいけばいいのです。

 

住宅宿泊管理業に該当しない場合、する場合

住宅宿泊管理業とはどういうものかという判断には、事業性の有無というのが判断材料になるとされています。

反復継続していても一回限りでも、住宅宿泊事業者(民泊オーナー)から委託を受ければ、「委託」という部分に事業性が認められて住宅宿泊管理業に該当します。

なお、報酬をもらわない場合は住宅宿泊管理業には該当しませんが、金銭以外の形で実質的に対価を得る場合は該当しうるとしています。

民泊新法のガイドラインには次のように書かれていますが、非常にわかりにくいです。ザッと眺めてもらえれば大丈夫です。

住宅宿泊業者から放題11条第1項に基づく委託を受けた住宅宿泊管理業者から再委託を受けて住宅宿泊管理業務の一部の事実行為を行う場合には、住宅宿泊管理業には該当しない。

また、住宅宿泊事業者が届出住宅に不在とならない場合等、法第11条第1項に基づく住宅泊管理業務の委託が必要とならない場合であって、届出住宅の清掃等の住宅宿泊管理業務の一部を住宅宿泊事業者の責任のもとにおいて他社に委託する場合にはその委託された者は法第2条第7項に規定する住宅宿泊管理業者には該当しない。ただし、これらの行為を法第22条第1項の登録を受けた住宅宿泊管理業者が行う場合であって、それらの行為によって住宅宿泊管理業の適正な運営の確保に支障を生ずるような場合には、法第41条の住宅宿泊管理業者に対する業務改善命令の対象となりえる。

住宅宿泊事業法施工要領(ガイドライン)P.10

本当に意味わかりづらいです。びっくりするのはこれが法律の条文ではなくて、指針を示したガイドラインであるということです。全然ガイドしてくれてません。。。

ということは置いておいて、

 

簡単にザックリ言い換えるとこうなります。

①民泊オーナーから委託を受けた管理業者からさらに委託を受けて管理業務の一部を行うことは、管理業には該当しない。=管理業の登録は不要。

②家主同居型の民泊の清掃等を家主の責任で委託されたのなら、委託された者は管理業者には該当しない=管理業の登録は不要。

③ただしこれらの行為を、登録を受けた管理業者が行った場合で、民泊運営に支障をきたす場合には業務改善命令を受ける対象になる。

 

これを実際の業務に当てはめると、例えばこういう場合が考えられます。

民泊オーナーから「委託を受けた管理業者」ができない部分で、自社が独自のノウハウをもって得意としている清掃業務だけ請け負う場合。

家主同居型でホームステイ受け入れを楽しんでいる民泊オーナーが、管理をするのがあまり得意ではないので、清掃業務をオーナーの責任として直接頼まれた場合。

 

このような業務の受け方をするのであれば住宅宿泊管理業の登録は必要ありません。

 

まとめ

民泊に限らず、よく【ワンストップで全ての面からトータルにお客さんをサポート!】というような広告は見かけます。

これをやりたいのであれば、なんとかして住宅宿泊管理業の登録をしなければなりません。

そうではなく、もしもあなたが、

  • 清掃
  • 外国語翻訳
  • 24時間体制のゲストへの対応態勢
  • 部屋の鍵管理

などに特化した強みがあるのなら、その部分だけで事業を伸ばしていくことは可能です。

ぜひご自分の強みを洗い出してみましょう。

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この記事を書いた人

夫婦で行政書士事務所を運営しています。
3児の父です。
家族を連れて、日本各地の民泊に泊まりに行きたいです。

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