いま民泊はとても注目されていて、ホストやオーナー、仲介サイトだけではなく旅行業者やITシステム会社、便利なツールを開発する会社など、いろいろな会社が民泊ビジネスを取り巻いています。
そのなかでも、今後大事な位置を占めてきそうなのは住宅宿泊管理業者(現在の民泊代行業者)です。
数年前、民泊が日本で始まった頃には、民泊代行業者はなかったはずです。
今で言う家主不在型、家主同居型に限らず、部屋のオーナーがすべてやっていたはずです。
それで「これは儲かる!民泊儲かるぞ!」となって、複数の部屋を民泊として運営していくことになっていったのですが、流石にそうなってくると全てを自分一人で回していくのは物理的・時間的にむずかしくなったはずです。
そこで民泊代行の部分をサービスとして提供する業者が現れて、オーナーも管理がしやすくなって民泊が爆発的に広まったという流れがあります。
いまではたくさんの代行会社がありますし、新法施行に合わせて不動産・旅行業界からも大手企業が参入してきます。
大手はいろんな部署をつくり、または企業同士提携して「全て丸投げしてください」とワンストップでサービスを提供しています。
そうは言っても「この部分は自分でやりたい」「お金をそんなにかけたくない」という意見のオーナーもいると思います。
それでは民泊運営にはどんな仕事があって、どれが自分でできるでしょうか。
家主不在型のオーナーは管理を管理会社に丸投げしなければいけません。一部だけ自分でやるのは認められないという事になりました。また、複数の管理会社に分けて委託することも認められません。
反対に言うと民泊代行会社は何を売りとして、任せてほしいといっているのでしょうか。
先日行われた民泊イベントで、大手代行会社数社の代表者が話していました。
民泊運用代行会社が得意とするところ、ホストが個人でやりにくいところ
システムの構築
民泊はAirbnbなど、インターネット上の仲介サイトを通して予約を受け付けるので、独自のシステムを組み込むと色々とネットでつながり自動化されて便利になるようです。
こういったものはやはり企業でないとできませんよね。さらにはそのシステムだけのバラ売りだけではなく、コンサルティングを行い、お客さんの運営方法にあった個別な対応をしてくれるところもあるようです。
深夜の中国語での問い合わせなど
中国語に限らず、多言語対応24時間体制でお客様コールセンターを開設しているところもあります。
民泊を運営するのに外国語の能力が必須というわけではありません。いまでは翻訳アプリなどを駆使して外国語対応もできますが、やはり24時間体制で電話できればゲストも安心感は違いますよね。
清掃 ナメたらアカン
これは各社チカラを入れて言っていました。
ゲストが出ていったあとの部屋の掃除は一見、誰でもできそうに思います。実際できるでしょう。しかし、ゲストの気持ちになって隅々までピカピカにしようとすれば、時間が2-3時間はかかってしまいます。仕上がりも毎日専門にやっているプロとの違いは歴然だそうです。
また、布団やシーツなどのリネン製品は当然毎回洗濯しなければなりませんが、これも大変です。
リネン製品をセットで在庫として抱えている清掃チームに任せればオーナーはこの時間を他の業務に使えます。
すぐ駆けつけられる体制
民泊新法ではゲストや近隣のトラブルに対してシビアです。
ガイドラインでは”苦情があってから現地に赴くまでの時間は、30分以内を目安とする”としています。交通状況によっては60分までは許容範囲とされていますが、具体的な時間を定めています。
もしオーナーが一人で運営しているのであれば、気になってどこにも出かけられないかもしれません。代行会社でしたら近くで清掃しているスタッフに連絡を取って、ちょっと向かってもらうということもできるようです。
値段の付け方
部屋を貸し出す値段は、一年中同じ設定というわけではなく、地域や季節や周りの競合施設の状況などによって変えていかなければなりません。
繁忙期は高くても予約が埋まる傾向にあり、閑散期は安くてもいいからとにかく入ってほしい、ということになります。
これもいろいろな地域で複数の部屋を管理している業者であれば全体の状況がわかり、そのときに一番適した値付けができるようです。
本人確認・鍵の管理
ちょっと前までは本人確認や鍵の受け渡しは直接会わないときちんとできないものでした。
今でも、正体がわからない人に郵便ポストに入ってる鍵をもってってもらう、という方法をとっていることもあるようですが、これって怖くないですか。
民泊新法では本人確認はウェブカメラなどを使った方法でも認められますし、鍵も今やネット経由の遠隔操作で、パスワードで管理できるようになっています。
これらの機器を導入する場合、どういうものがあるのか自分で調べてきて一つ一つ検討することになると思いますが、すでに導入実績がある代行会社に頼めば安心ということもあるでしょう。
まとめ
民泊代行会社がやってくれる主な業務をざっと見てみました。
繰り返しになりますが、これらはもともとはオーナーがやっていたことです。民泊の急激な広がりによって便利なツールや機器も出てきていますが、アナログでもやれないことはないと思います。
大事なのは民泊をやっておもてなしをしたいのか、投資家としてビジネスがやりたいのか、自分のスタンスをはっきりと決めることでしょう。
代行会社に全部お任せすることが、おもてなしではないという事ではありません。ゲストの満足度を上げることを含めて全力でサポートしてくれるでしょう。
代行会社に委託することで料金はかかりますが、費用対効果としたら自分でやるよりも効率がいい場合もあると思います。代行会社からしたら、オーナーもゲストも全て満足してもらって自社も利益を得るといういわゆるウィンーウィンーウィンの関係を目指しているようです。
代行会社も100%利益を保証するわけではないですが、「そもそも代行会社に任せたら利益が出ないような物件ではやらないほうがいい」という言葉もありました。ビジネスとしてやっていくのであれば元々の物件の価値を見極めることが重要です。
是非参考にして下さい。