農家民泊とは
農業体験ができる宿泊施設のことです。農家民泊と非常に似ているものに、農家民宿がありますが、許可や制度上のちがいはあるものの、目的は同じです。
すなわち、「農家民泊」「農家民宿」のどちらも、宿泊するお客さんに農業などを通して日頃経験できない体験をしてもらう事を目的としています。
他の民泊と比較すると
国家戦略特区でマンションの一室をつかった特区民泊は都市型の観光客向けの民泊と言うことができます。
一方、農家民泊は田舎の農村・漁村などに滞在して地域の自然や文化に触れて田舎での生活そのものを体験するというスタイルの民泊です。
元々自然が好きなお客さんが来るというのもありますが、観光地はもう行き尽くした、というような旅慣れた人が好む傾向にあります。
農家民宿との違い、農家民泊の特徴
農家民泊と農家民宿は非常に似ていることは上でも触れましたが大きくちがう部分もあります。
農家民宿のイメージ
農家民宿は民宿という名の通り、宿泊施設のひとつという分類です。宿泊施設ですので旅館業法に規定される許可が必要になります。許可制ということは、それなりの定められた条件をクリアしていかなければ許可が取れないということです。
例えば、
- トイレの数
- 洗面所の数
- お風呂はお客さん専用のものでなければならない
というような設備面でのきまりがあります。
つまり、旅館業ですから、宿泊者にお客様としてのきちんとしたサービスを提供し、料金を頂くという商売としての要素に焦点を当てた制度です。営業行為であり、経済活動です。
決して農家民宿が堅苦しいと言うものではありません。繰り返しになりますが、両者とも農業体験の素晴らしさを味わい、広めようという目的が前提としてあります。
農家民泊のイメージ
一方、農家民泊には許可の必要がありません。
旅館業などの「業(ぎょう、しごと)」ではないからです。宿泊を受け入れることで料金を受け取るのはもちろんOKですが、これは宿泊費としてではなく、「体験料」やその体験講座の「指導料」という名目としての料金です。
ですので、料金設定は農家民宿に比べると安めの相場になっています。
例として:ひとり一泊料金
- 農家民泊:5,000円〜7,000円
- 農家民宿:7,000円〜10,000円
また、業ではないので、反復継続して行うことができません。
「なんだ、じゃあ儲からないじゃないか。。。」と、嘆く必要はありません。そもそも趣旨がちょっと違うのです。
業ではないというのは、お客さん側にも農家側にもメリットをもたらします。
つまり、泊まる側も、泊める側もサービスや代金よりももっと気軽な交流を求めているという事があります。
- いつもの生活ありのまま
- 実家に家族が帰ってきた
- 孫とあそぶ
- 一緒に食事を作ろう
- 食べ物をおすそわけ
- 作業をてつだう
- 「いらっしゃいませ」ではなく、「ようこそおまちしてました」
漠然としていますが、こんな風なイメージを持っていただけたらいいと思います。
この後説明するような体験プログラムもあるのですが、それはそれとして、お客さんが欲しいのは「つくられた疑似体験のようなもの」ではなく、そのまんまの田舎農家の「本物の体験」なのです。これこそが農家民泊の特徴と言えるでしょう。
どんな体験をするのか
農家民泊・農家民宿での醍醐味は体験プログラムです。ざっと種類を挙げてみます。
春・夏
- 田植え、夏野菜づくり、梅の収穫、魚釣り、魚のつかみ取り
- 山菜採り、お茶摘み、梅干し作り、梅ジュースづくり
- 里山散策、川遊び、星空観察、クワガタ獲り
秋・冬
- 稲刈り、芋掘り、みかん収穫
- 栗拾い、焼き芋、干し柿作り、餅つき、味噌づくり
- 紅葉狩り、きのこ狩り、雪遊び
酪農体験
- 牛の乳搾り、卵の採集、乗馬、餌やり
自作体験
- 竹とんぼづくり、竹馬づくり、コマづくり、草木染め
・・・などなど、農業体験だけに限りません。季節や人数、天候によってお客さんに対応できる体験プログラムが用意されます。
農泊(農山漁村滞在型旅行)への取り組み
農家民泊・農家民宿に関係することとして、いま農林水産省ではグリーンツーリズムと題して都市部から農産漁村への定住・半定住までも含めた地域活性化を強力に推進しています。
こう言ってはナンですが、他の省庁のホームページよりも農林水産省が作り出す資料はチカラの入れようが全然ちがいます。
農林水産省が作成したPR動画が公開されています。
東南アジアの人気タレント、エラワン・フサーフさんだそうです。
【農泊】Japan Authenticダイジェスト(長野県飯山)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
民泊のなかでも農家民泊は他の民泊とはちょっと趣がちがいます。
海外からの旅行者で、民泊や観光産業が脚光を浴びる中、地道ではありますが、段階的に規制緩和を行って、どうにかして農山漁村といわれる地域にも賑やかさを取り戻したい!
私にはそんな思いが伝わってくるのです。
私自身も農家民泊を体験したいと思います。